はじめに

現在多くの投資家が注目しているインドネシアの不動産投資。
一般的にインドネシアに法人を立ち上げることで不動産の所有権を持つことが出来ます。
実際のところ、ここで言う所有権は『所有権に限りなく近い使用権』となることが多いのです。
インドネシアの所有権の定義は複雑でして、大きな所有権の括りの中に狭義の所有権・使用権・建設権があります。

厳密な意味での所有権は、インドネシア国籍の個人と特定のインドネシア法人しか設定できません。しかし、現地に住むKITASと呼ばれる1年ビザを取得している外国人、インドネシアに設立された一般法人であれば不動産に使用権が設定できるのです。
ここではインドネシア不動産に関する権利事情をチェックしていくことにします。

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1.非常に難しい使用権の位置づけ

上述のように一般外国人や法人がインドネシアで所有権を設定できないのは不便です。
所有権が外国人・一般法人に権利移動されると、使用権・建設権で権利保有する決まりになっています。

使用権だからと言って権利がないがしろにされているとは言えません。
使用権は所有権に遜色無い権利で近年外国人投資家のために権利が強くなる傾向にあります。
基本的に25年間の使用権ですが、権利者が変わるたびに最初から25年が起算されます。

この使用権にも注意すべきポイントとしては、建設権が設定されている場合です。
建設権が売却時に設定されている時は、先に権利の解除が必要となります。
これをしないまま使用権を設定すると後々に権利上のトラブルとなります。
インドネシアでは頻発するケースですので注意が求められます。

インドネシアの使用権は多くの外国人にとって最も利便性の高い権利です。
使用権を持っていれば転売時にインドネシア人には所有権として販売できます。
使用権を駆使して建築物を建てることも出来ますし、この状態で転売すると大きな利益が見込めます。

2.建設権とは?

建設権は基本的に国内外の法人向けに用意されている所有権の1つです。
使用権が外国個人・法人も設定できますが、建設権はインドネシア人と現地法人しか設定できません。30年の権利が設定できますので、使用権よりも権利が強くなります。

建設権は一般法人で設定するとなると莫大な資金を掛けることになります。
外国からわざわざ現地に建設権を設定する目的で現地法人を建てることは現実的ではありません。一般法人であっても使用権を設定する方が非常にシンプルで費用も安く済むことが多いです。

たとえば、インドネシアに大規模工場を持つ外資企業や、何らかの大きな経済的パフォーマンスをビジネスで求める企業が建設権設定に向いています。

実は建設権よりもさらに強い権利があります。それは事業権と呼ばれるものです。一般的に現地で正式な企業としての確固たる経済活動を行わないと設定が難しいもので、事業権は35年の権利設定が可能となるのです。

3.問題になりやすい名義レンタル

インドネシアに不動産投資される方は、外国に住む個人・機関投資家が非常に多くなります。その中にはインドネシア人と長く交流をしている方もいます。
そこで、手続きをシンプルにするために名義借りをすることがあります。

仮に信頼しているインドネシア人が相手だとしても、日本人がずっと現地に張り付いている分けではありません。インドネシアで最も強い権利は所有権になります。
仮に、そのインドネシア人が偽造権利書を作っていて、法廷で所有権を主張すれば元も子もありません。

どんなに良い物件でも名義レンタルしてもらう方法は避けることが重要です。
インドネシアでも色んな場所を回って適正な権利を設定できる物件を探すことが重要になります。

こういった、トラブルを避けるために使用権・建設権などが存在していますので徹底的な有効活用が求められます。

どうしても現地のインドネシア人の物件を手に入れたいのであれば、直接レンタル契約を結んで最高30年ほど権利を設定することもできます。
この方法は名義借りと比べると権利喪失リスクは若干低くなるのです。ただし、インドネシアの不動産関係に詳しくて日本に窓口をもつブローカーを通さなければやはり危険だと言えます。

おわりに

インドネシア女性と結婚すれば、インドネシア人と同じ権利を持つことが出来ると考える方もいます。
ところが外国人男性は現地女性と結婚してもKITASビザの取得ができないのです。

逆に外国人女性がインドネシア男性と結婚した場合はKITASの取得ができます。
それでも外国人女性が投資物件の絶対的な所有権を得ることはできないのです。
不動産の絶対的個人所有権は、インドネシア国籍に限定すると言う事が根拠になります。

権利関係が、非常に厳しいインドネシアの不動産ですが潜在性は十分です。
これこそが複雑でも、投資を実現させたいと感じさせる魅力になります。