アメリカ不動産がある人の経費計算と税金申告

アメリカでは、ある一定の収入がある人は、日本でいう確定申告を皆、しなければなりません。日本のように会社が年末調整をしてくれない代わりに、様々な控除対象があり、税に詳しいと相当の節税ができます。ただしアメリカの税制は複雑なため、ほとんどの人が税理士など専門家にお願いしています。

011329bca08071222482e4ee28d0a7f4_s

例えば不動産の賃貸収入、譲渡収入がある人はどんな控除があるでしょうか。

一般に、アメリカで不動産所得がある場合では、賃貸収入では家賃収入からさまざまな経費を差し引いてその所得を申告する必要があります。固定資産税や管理費、修繕費、減価償却費、家屋にかける損害保険料や、支払利息などを差し引いた額を申告します。

不動産を譲渡した場合、その課税年度に行われた全不動産の取引金額のうち(件数が多い場合は、物件によって売却益、売却損など色々出ます)トータルで売却益が出た場合に、その額が課税対象となります。

不動産の価格の下落や、賃貸の空室率が高くなるなど、必ずしも予想通りの結果にはならない不動産投資。でも、日本の不動産所得の場合とおなじように、不動産で損失を出した場合でも、損益通算ルールの適用になります。つまり他の所得でプラスがある場合は、このマイナス分を差し引けるということです。

ただし、アメリカの場合は、日本に比べて損益通算のルールが若干厳しく、譲渡の際の損失を他の所得と損益通算できるのは、その年で上限3000ドルとなっています。そしてその損失が3000ドル以上、足が出た場合は、次年度以降に損失を繰り越すこともできます。

ただ、納税者自身が主に住んでいた自宅を売却する場合は、夫婦で50万ドルまでの控除があるので、課税金額の優遇があります。

賃貸の場合は、個人の場合では、調整総所得金額が10万ドル以下(日本円でだいたい1250万円)の場合では、不動産損失の2万5千(日本円でだいたい313万くらい)(日本円の計算、1ドル=125円で計算)分を他の所得と損益通算ができることになっています。ただしすでに調整総所得金額が15万ドル以上ある人は他の所得との差し引きができないので注意しなければなりません。

アメリカでは、その外国人が居住者であるか、非居住者かで、使える控除や申告に使う用紙なども違います。また居住者と非居住者を判断するテストがあり、その判断によっても、課税対象となるものが違います。たとえば、アメリカで働けるビザを持っていて、会社で働いていて源泉所得のみがある場合、その給与所得のみがアメリカでの課税対象となります。

非居住者の場合は、日本で居住者扱いですから、日本で確定申告をします。外国税額控除があるので、両国で確定申告しても、二重課税にならないようになっています。

日本で確定申告するときに、海外不動産所得で損をした分、日本で得ている給与所得などと損益通算できるので、かなりの節税になります。

アメリカ不動産を売却した場合、日本で確定申告をするときには、譲渡所得として扱われます。他の分離課税があるときは合算してください。

ポートフォリオ形成の一環としてのアメリカ不動産投資

アメリカの不動産は、日本よりも減価償却費が多く取れるという特徴があります。そのために、節税対策として、アメリカの不動産を物色しはじめている人もかなりいらっしゃるでしょう。

いまは、ドル高、円安が進んでいるので、多少アメリカの不動産は割高に感じられる部分もあるかもしれません。しかしながら、これから少子高齢化、または景気回復がまだあいまいに感じられる日本と違って、アメリカの景気は上昇気流に乗っていますし、子供の人口だけではなく、移民もどんどん増えています。

日本でよく論じられている、不動産物件の将来的な空室リスクは、アメリカの大都市や人気都市の郊外物件では、あまり心配する必要がないと思われます。

少ない自己資金でレバレッジをかけて、海外不動産を購入、キャピタルゲインやインカムゲインを狙いたい場合には、アメリカはぴったりの投資先かもしれません。

ただし、自己資金だけではなく、投資のためにそれに対してレバレッジを使うリスクもありますし、外国の不動産物件の見極めもまた難しいものです。その上、税金の申告を考えると、両国の税制に通じている人も欲しい。日本語と英語の話せるその道の専門家やアドバイザーの助けが必要なのは、いうまでもありません。ファイナンシャルプランナーや、現地不動産業者、税理士、アメリカ税理士、公認会計士などの専門家をお願いして、計画的に投資を考えていきましょう。

分散投資の大切さ

投資セミナーなどにいけば、専門家やアドバイザーが口を酸っぱくして「分散投資の大切さ」を力説します。つまり分散投資をすれば、リスクヘッジになるからです。法人ではなく、個人で投資している場合には、投資金額には限りがあります。不動産でも一つのものに集中して投資をせず、日本以外、海外にも目を向けることが、これからは大切になってきているのでしょう。

いまは世界中の情報がインターネットで調べられる時代です。自宅にいながらにして様々な情報に触れることができるこの恵まれた状況を活かして、あなたの資金を活用できるアメリカの不動産、投資先を考えてみてはいかがでしょうか。