前回は、 「外国人による土地取得制度」についてみてきた。
今回は、個人の場合と法人の場合などで韓国の不動産の取得方法がどのように 違うのかについて具体的に見てみよう。

外国人が韓国で土地を取得しようとすると、
取得しようとする目的
韓国での居住の有無
個人であるのか法人であるのか
それぞれ、適用される法令および手続きが変わってくる。
わかりやすくするために、外国人が韓国の不動産を取得する場合を次の3つのタイプに分けて説明する。

 

1.外国人による投資企業:外国人が営利活動のために韓国に法人を設立し、
その法人の名義で不動産を取得する場合

2.居住外国人:外国法人の国内支店の名義で不動産を取得する場合など

3.非居住外国人:外国法人名義で不動産を取得する場合など

以下、各タイプ別による詳細である。

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タイプ1. 外国人による投資企業

外国人が韓国内で営利活動のために、「外国人投資促進法」によって国内法人(外国人投資企業)を設立し、
その法人の名義で不動産を取得する場合を意味する。

(例:業務用ビルディングの購入、工場用地の取得など。)

※ 国内に支店を設立する場合は、外国為替銀行に支店設立申告をし、支店登記をした後、支店名義によって不動産を購入すればよい。

 

<適用する法律>外国人土地法、外国人投資促進法、不動産登記法

<不動産の取得手順>

不動産契約締結 → 土地取得申告 → 所有権の移転登記

<土地取得の申告>

①申告期間 : 契約締結日から60日以内

②申告先 : 土地の所在する市・郡・区の官公庁の地籍課

③提出書類 : 不動産の取得契約書、不動産登記簿謄本

※ 外国人による投資比率が50%以上の場合のみ該当。

(外国人土地法では、外国人投資比率が50%未満の場合は外国人企業としてみなされないため。)

 

<不動産の登記>

①登記期間 :契約締結日(残金の支払い日)から60日以内

②登記先 : 土地の所在する官庁の登記所

③提出書類 : 法人登記簿謄本(個人の場合、外国人登録証のコピー),登記申請書、登記原因証明書類(検認契約書など)、登記権利証、不動産登記簿謄本

※ 代理人が申請する場合には委任者によって署名、捺印された委任状が必要。

 

タイプ2. 韓国内の居住外国人

韓国内に居住する外国人による居住用アパートの購入、外国法人による国内支店としての不動産取得など、
居住外国人による不動産取得を意味する。
居住外国人の場合、外国為替取引法上の申告手続きはなく、
売買契約後60日以内に管轄する市・郡・区庁に申告(土地取得申告)をして所有権移転登記をすればよい。

 

<適用する法律>外国人土地法、不動産登記法

<不動産の取得手順>

不動産契約締結→ 土地取得申告 → 所有権移転登記

<土地取得の申告>

①申告期間 : 契約締結日から60日以内

②申告先: 土地の所在する市・郡・区の官公庁の地籍課

③提出書類 : 不動産取得契約書、不動産登記簿謄本

<不動産の登記>

①登記期間 : 契約締結日(残金の支払い日)から60日以内

②登記先 : 土地の所在する官庁の登記所

③提出書類 : 外国人登録証のコピー(支店である場合、支店登記簿謄本)、登記申請書、

登記原因証明書類(検認契約書など)、登記権利証、不動産登記簿謄本

※ 代理人が申請する場合には委任者によって署名、捺印された委任状が必要。

 

タイプ3. 韓国に非居住の外国人

外国法人による韓国の不動産取得など、外国為替取引法上の非居住外国人による国内不動産取得のことを意味する。
非居住の外国人の場合には、原則的に不動産取得のための資金を納入した時に外国為替取引法により、先に外国為替銀行長に「不動産取得申告」をしなければならない。その後、不動産が土地である場合には外国人土地法により、管轄する市・郡・区の官公庁に「土地取得申告」をして所有権移転登記の手続きに入ればよい。

 

< 適用する法律>外国人土地法、外国為替取引法、不動産登記法

< 不動産の取得手続き>

不動産契約の締結 → 土地取得の申告 → 不動産取得の代金支払い

< 不動産契約の締結 >

※ 入国前に準備する書類

個人の場合: 自国の官公庁で発給される居住事実証明書または自国の公証機関で公証を受けた住所証明書

法人の場合: 法人を証明することのできる書類(自国で発行され住所記載のあるもの)または自国の公証機関で公証を受けた住所証明書

< 不動産取得の申告 >

①申告する時期:不動産取得のための資金を引き出すとき

②申告先:外国為替銀行の本店・支店

③提出書類:不動産取得契約書、不動産鑑定書または公示地価の確認書、不動産登記簿謄本

④留意事項:

– 不動産だけではなく、それに関する権利(利(物権、賃借権など)を取得する場合にも届け出なければならない。

– 不動産を処分する際の代金を海外送金する場合には、同じように申告書を送金する銀行に提出してこそ処分代金の送金が可能となる。

 

< 土地取得の申告 >

①申告期間 : 契約の締結日から60日以内

②申告先 : 土地が所在する市・郡・区の官公庁の地籍課

③提出書類 : 不動産取得契約書、不動産登記簿謄本

< 不動産登記用の登録番号 >

①非居住外国人(個人)

– 申請機関 : ソウル出入国管理事務所

– 提出書類 : 土地取得申告済み証、パスポートのコピー

②非居住の外国人法人

– 申請機関: 土地が所在する市・郡・区の官公庁の地籍課

– 提出書類 : 土地取得申告済み証、該当国家(韓国にある大使館も含む)で発給された法人登録証、代表者・代表者住所地を証明する書類など

③ 代理人が申請する場合:代理人の国籍を確認するための身分証明書、自国の公証機関で公証をうけた委任状

< 不動産の登記 >

①登記期間 : 契約の締結日(資金の支払い日)から60日以内

②登記する機関: 地所在地の管轄登記所

③提出書類 : 住所証明書および不動産の登記用登録証明書、登記申請書、登記原因証明書類(検認予約書など)、登記権利証、不動産登記簿謄本

※ 委任する場合には自国の公証期間で公証をうけた委任状が必要。