日本の不動産法、アメリカの不動産法

世界各国の不動産制度は、フランス法系、ドイツ法系、また英米法系の3つに分けることができます。
各国が、どの不動産法を用いているかで、国ごとで、まったく異なってきます。
アメリカだけではなく、アジア諸国への不動産投資を考えている方は、
その国がどの不動産制度、登記法を用いているのか調べてみると、その後の理解がスムーズかもしれません。

アメリカの不動産法は、もともと英国のコモンローを基本として成り立っております。
まず、日本のように、「日本全国」として統一されているわけではなく、それぞれの「州ごと」で法律が違います。
連邦制を採用しているのです。
不動産取引においては、全米全体の共通する法律ではなく、各州の法律に従うことになります。

不動産の価値の考え方なども異なり、日本人は最初は面食らってしまうことも多いと思います。
しかし、コモンローを知っておくことは、これから海外投資、とくに不動産投資をしていこうと考えている人にとって、
非常に有益な情報になるはずです。
まずは、アメリカ不動産法のコンセプトを学びましょう。
また、これから自分が購入、運用しようとする不動産はどの州にするのか、
様々なメリット、デメリットを比較しながら決めるのがポイントです。

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アメリカ不動産法、コモンローの重要ポイント!

アメリカの不動産法で、一番、日本の法律とちがう点は、「エステート制度」だということです。
これは時系列によって複数の財産権が生じる制度で、
ある期間、土地を占有、収益できる権利は、一つの土地に対して一つに限らないということです。

複数の物権的権利が一つの土地に存在するなんて、日本人から考えるとなんとなく不安定な感じがしてしまいます。
日本にも借地権がありますが、時系列での考え方はあまり浸透していません。
しかも、現在権(Present Interest)と将来権(Future Interest)なんて言葉を聞くたびに、
日本とはまったくコンセプトが違うのだなあ、という感覚を新たにするのです。

日本の不動産法(物権法)に慣れている私たちとしてみれば、英語から日本語に訳してみても、
そもそも現在権、将来権なんてコンセプトがないため、契約書の内容など翻訳してみても、まったく理解できないことになってしまうのです。

勉強熱心な投資家の方のなかには、英語での不動産用語を覚えようと必死になっている方もいらっしゃいますが、
まずは日本語でアメリカのコモンロー、不動産法のコンセプトを勉強してから、専門用語の英語を学ぶようにするとより理解が早いと思われます。

成り立ちが違うと基本的な考え方が違う

もともと、アメリカと日本の不動産や住まいに対する考え方はまったく違います。
最近はだいぶ見直されつつありますが、日本では中古住宅はあまり価値がない、もしくは格安物件ものとして扱われてきました。

最近は日本でも、中古マンションをスケルトンリフォームして、より安く、自分らしい住まいにする、などの考えも生まれてきました。
が、欧米での中古物件市場は、築50年なんて当たり前(戦前に建てられたpre-warビルディングなんでざらです)でそれをリフォームして貸したり、売りに出していることがほとんど(市場の約8割)です。
中古物件でもどんどん価値が上がったり、日本とはまったく違った考えで不動産取引が行われています。

もちろん文化背景、国のなりたちも違いますし、アメリカ人的な合理主義もあります。

でも、賃貸にしても売買物件にしても、すでに家や部屋に家具や家財道具がついているなんて、
つい数十年まえの日本人には考えもつかなかったことです。

以前の日本人は大きな家財道具を抱えて引っ越す人がほとんどでしたが、いまでは家具から家財道具、ネット接続、ケーブルテレビなどすべて揃っているアパートがあり、また身一つで引っ越せるそんな住まいに引っ越したい人が急増しています。

アメリカと日本の住まいのスタイル、価値観や考え方も、こんな部分から比較してもまったく違うことがわかります。
身近な例をとってみても、住まいや不動産にたいしての考え方、家財や財産についての概念が浮き彫りとなります。

最初はアメリカの不動産法、コモンローのコンセプトに慣れなかったとしても、いままでの過去を鑑みて、住まいの考え方や引っ越しスタイルも、アメリカの背中を追って、受け入れてきたのが日本人です。
アメリカの不動産法の合理性にすぐに気づきますし、税法のメリットを見ても、相当な優遇を受けられることが理解できると思います。

逆をいえば、アメリカの不動産投資は、日本にはないメリットを生かした不動産投資をすることが大事です。
もちろん日本で不動産を保持する、日本の不動産法のメリットもありますので、これこそ分散投資という感じで、アメリカ不動産投資のメリットをよく知りつつ、合理的な判断をしていくことが大事です。

不動産の専門用語は日本語でも難しいですが、英語も独自の専門用語があります。
しかし、取引で必要な専門用語はそんなに多くはありません。
慣れてくれば当たり前のように理解できるようになりますので、アメリカの不動産投資を始める際には、とくに問題視する必要はないでしょう。