2011年3月に起こった東日本大震災や福島原発事故の影響により、日本人が海外に移民したり長期滞在をすることが、当たり前になってきた。
2012年には海外に長期(3ヶ月以上)滞在する日本人が 例年よりも1万人以上増加し、全体で118万人にも上り過去最高を記録している。
そうした状況を踏まえ、韓国では、このところ日本人をはじめとした外国人による不動産投資を積極的に誘致するため、さまざまな政策がとられている。

たとえば、 韓国の法務部(日本の法務省に相当)は、韓国内の不動産に一定金額を投資した外国人に対し、 「不動産投資移民制度」の基準金額を引き下げ、投資対象を増やす案を推進している。

「不動産投資移民制」とは、法務部長官が公示した地域の休養施設に対して基準の金額以上を投資した外国人に対して、自由な経済活動ができる居住ビザ(F-2)を与え、5年後には韓国内に永住ができるようにする制度のことである。
現在、済州島(チェジュド)、江原道のピョンチャン、仁川ヨンジョン地区、全羅南道ヨス市のキョンド地区などがこの制度の適用地区になっている。

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1.プサンのリゾート開発

法務部は、2013年5月20日付けで海雲台(ヘウンデ)観光リゾートとキジャン郡の東プサン観光団地をこの「不動産投資移民制」の適用対象に指定した。
プサン市の海雲台観光リゾートの投資基準金額は7億ウォン、東プサン観光団地は5億ウォンとなっていて、海雲台観光リゾートの造成事業は事業費用だけでも2兆7400億ウォン規模になっている。
海雲台の海水浴場近隣には、観光ホテルやコンドミニアムをはじめとした宿泊施設や、ウォーターテーマパークといった、オールシーズン楽しめる複合型観光リゾートが2017年までに造成される予定だ。
プサン市は、東プサン観光団地に不動産投資移民制度を適用させることにより、その地域一帯にまで観光インフラが拡大され地域経済が活性化されるものと期待しており、不動産投資移民制度による経済効果は1兆3500億ウォンに上るであろうと見込んでいる。

 

2.島の「ロングステイ財団誘致」作戦

韓国の済州島においては、日本人をはじめとした外国人の長期滞在を支援する「ロングステイ財団」を誘致し、不動産投資移民制度を活用した投資誘致を拡大しようと試みている。不動産投資移民制度に対する広報をするとともに、医療観光や韓流観光などの観光客の誘致につなげたいという意向のようだ。

近年は韓国を訪れる中国人観光客が大幅に増加し、韓国の不動産投資移民制度に対する関心が高まりつつある。なかでも、中国人観光客たちが滞在できるコンドミニアムやリゾートなどを含む大規模な観光開発産業の投資に関心が高い。

今は、中国と日本との間で領土問題等の葛藤が深刻化している状況のため、日本人観光客による済州島をはじめとした韓国での長期滞在に関心が集まるだろうと予想されている。
そのため、済州島の関係者は、ロングステイ財団の設置について日本も肯定的に判断しているとみており、 済州島が不動産投資移民制度(永住権の支援制度)を保有しているだけに、日本人たちの関心が済州島に集まるものと期待しているようだ。

ロングステイ財団は1992年に通商産業庁(現在の経済産業庁)から設立認可を受けた機関で、外国人の長期滞在者に対して、生活面での便宜を図る情報を提供してくれたり、カウンセリングやサポートをしてくれる機能を果たしている。

 

3.その他の地域の投資基準金額引き下げ政策

法務部は、投資移民制度の適用地域のうち、仁川の永宗(ヨンジョン)地区の経済自由区域と、江原道平昌(ピョンチャン)のアルペンシア地域に対し、2013年度から不動産投資移民制度の投資基準金額を引き下げた。

仁川経済自由区域は、当初の投資基準金額が15億ウォンから7億ウォンとなり、江原道平昌は10億ウォンから5億ウォンになった。 江原道の平昌は、2018年の冬季オリンピックの開催地でもあり、多くの外国人の関心を集めるであろうと期待されている。

ソウル⇔ 平昌の交通の便も整備されつつあり、自然豊かな平昌の不動産が韓国内でも注目を集めている。