マレーシア投資、移住に関して考えておきたいこと その1
シンガポールとともに、東南アジア諸国のなかで注目のマレーシア。
MM2Hという、10年滞在のビザが取得しやすい国です。
その上、医療水準が高い、子供の教育にも良い環境が整っているのもあって、子供のいる若い世帯から、リタイア世帯まで幅広く人気があります。
また、物価も日本に比べると安く、比較的治安も安定しています。
東南アジア諸国のなかでも日本人にとって住みやすく、飛行機で約7時間という距離的なメリットもある場所です。
そんなマレーシアに投資物件を持ち、将来的には移住することを考えたときに、どのような事前計画が必要でしょうか。
MM2Hビザの取得
MM2Hビザは、滞在期間が10年、その後、移民局に認められればまた10年の更新ができるビザです。
条件としては、書類申請の時点で、
50歳以上で350,000RM、日本円で約1134万円(1マレーシアリンギット=32.4円計算)の財産証明
月額で10,000RM、日本円で約32.4万円の定期収入が必要です。
50歳以下では、500,000RM、日本円で約1620万円の財産証明
月額で10,000RM、日本円で約32.4万円の定期収入が申請には必要です。
現地で手続きする際には、現地の金融機関に定期預金をする必要があり、
50歳以上は、150,000RMを預ける、または毎月10,000RM以上の年金を受領する証明をするか、
50歳以下では300,000RM預けることになります。
つまりある程度の金融資産と、定期収入があれば、取得可能なビザということです。
マレーシアMM2Hビザ取得のメリット
マレーシアのMM2Hは、入出国が自由です。
その上、マレーシアでは、定期預金の利率が日本より良いです。
最初に現地で定期預金を求められますが、一般の日本の銀行より高い利率で預けておけます。
その上、利子には税金がつきません。
年金にも税金がつきません。そして、マレーシアには相続税がありません。
日本から車を免税で持っていけます。
マレーシアは日本食レストランが多く、日本食や雑貨など、都市部では日本のものが手に入りやすいです。
また、50歳以上の申請では、週に20時間までなら現地で就労も可能です。
欧米の有名校の誘致も進んでおり、欧米式の教育がもちろん英語で受けられます。
様々な国籍、人種の生徒とともに授業に参加できるなど、国際色豊かな教育環境が整っています。
マレーシアMM2Hビザのデメリット
MM2Hの取得後、10年滞在、そして更新のあと、まだマレーシアに居続けたい場合は、永住権の申請を考えることになります。
しかし、意外に永住権申請のハードルが高いのがマレーシアです。
ずっと日本とマレーシアを行き来できる十分な蓄えがあれば問題ないのですが、20年後の経済状態など、だれも予想できません。
更新し続ける経済力があってこそのMM2Hです。
マレーシア永住権をとるには、マレーシア国籍の人と結婚した場合でさえ、1年ごとの更新、そして5年連続更新して、
ようやく永住権申請資格を得ることになります。(ここでようやく申請資格を得る!っていうのがポイントです)。
マレーシア移住の紹介サイトによっては、永住権=MM2Hのような解釈をしているところもありますから、その点はくれぐれも注意してください。
マレーシア政府としては、富裕層が生活してくれるメリットは欲しいのですが、その代わり、将来の社会保障の負担になるような人は受け入れたくないのが本音でしょう。
永住権を取得するということは、社会保障などの権利も発生するということです。
ですからその個人の資産状況、マレーシアへの投資、特筆すべき技能や能力、職歴、マレーシアでの納税履歴、学歴など詳しく調べられ、マレーシアの経済に確実に貢献できる人材か、審査されることになります。
日本からの年金受給も十分にあり、また個人資産が多い人は、資産枠で永住権へのチャンスはありますが、(最低200万米ドルより=日本円でざっと2.5億円!を5年間、銀行に預けていること!)これはMM2Hよりもハードルが高いです。
MM2Hにしろ、永住権にしろ、お金の切れ目が縁(円の?)切れ目になりそうなのがマレーシアです。
その他、文化的背景や宗教、言葉の違いは年齢を重ねるごとにじわじわ効いてくることも。
これはもちろん他のアジア諸国でも言えることなのですが、とにかく将来を見据えて投資、移住計画を練ることです。
お金を使い果たして、老後日本に帰国しても、住む家もない、年金も十分ではない、いまさら日本に馴染めない、ということでは困ってしまいます。
投資物件をマレーシアに持っていても、自分がそれを活用することができなければ意味がないですね。
ポートフォリオの一部として持つのも、また税金対策として分散資産扱いでマレーシアに資産を持っているのもいいですが、
くれぐれも将来を見据えた計画を忘れないでください。
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