近年、ますます金利が下がり、国内投資よりも海外(グローバル)投資に関心が集まっている。

それでも海外投資には不安を感じ、なかなか積極的になれないという投資家も少なからずいるようである。
行動心理学的にいうならば、その原因は投資に対する心理的な抵抗感に由来する。
その心理とは、 以下に説明する3つに大別することができる。
成長性でも金利でも将来性が見えない国内投資に比べ、経済成長している海外投資に目を向けない手はない。
それで今回は、「海外投資を邪魔する3つの心理」について探り、そうした心理を克服していく方法を考えてみる。

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海外投資を邪魔する心理その1:国内資産に対する偏向性によるもの(ホームバイアス)

心理学的には、人間はなじみのあるものを好む性質がある。
たとえば、いつも通勤するときに通る道が混んでいたとしても、回り道をせず、日頃から慣れ親しんでいる道を選んでしまう、ということである。
また、いつも自分が使っている製品やブランドの方が、使ったことのない製品やブランドよりも使いやすそうに思えて、つい同じブランドを選んでしまう。
このような心理は、投資という場面についても現れる。
投資家(専門的な職業としての投資家を含め、個人的な趣味としての投資も含む)は、海外投資よりも国内投資の方を好む傾向がある。
また投資する金額についても、海外よりも国内により多くの資金を投資しようとする傾向があるのだ。

海外投資を邪魔する心理その2:過去の投資経験

ある経済学者によれば、 過去に株価の暴落などの経済的ショックを受けたことのある投資家は、そういった経験のない投資家に比べて、リスクの高い投資に対する参与率が低いとのことである。
つまり、過去の投資経験が、未来の投資に対する態度に影響を与えているということなのだ。
たとえば、韓国のファンド市場における、海外ファンドが占める比率を見てると、2006年には8.9%から、2007年は25.3%とたった1年間に大幅に増えている。
しかし、2008年に起こったグローバル経済危機の余波を経験したことにより、2013年には15.4%と海外投資の比率が落ちこんでいる。
これはグローバル経済危機による損失という過去の投資経験が影響を与えているということなのだ。

海外投資を邪魔する心理その3:不作為バイアス

不作為バイアスとは、作為(行動)による悪い結果を避けるために、不作為(行動しないこと)を志向してしまうことをいう。
このような心理は、消費者が金融商品を選ぶときにも見られる。
たとえば、最初に提示された条件を維持したときの損益と、他の条件に変更したときの損益を比較した場合、多くの人々は他の条件に変更した場合の損益の方が大きいと感じる傾向がある。
そのため、金融商品を選択する際になかなか他の条件や商品に変えたがらないのだ。
実際、近年のように低金利が当たり前のようになっているのなら、国内資産の比率を減らして海外資産を増やすことが得策であるにもかかわらず、そのように行動に移せる人は少数派である。

以上のように、海外投資を邪魔する心理には大別して3つがあることがわかった。

海外資産に投資するときには、知識が必要だ。
たとえば、税金や、海外投資の取引時にかかる費用の問題、海外投資に関する情報である。
それらの情報が不足していれば、海外投資よりも国内投資の方により多くの投資をしようとするのは、ある意味で当然のことと言える。
しかし、海外投資にはいうまでもなく多くのチャンスがあることもまた事実である。では、国内投資だけではなく海外投資にも目を向けられるようになるためには、どうすればいいのだろうか。
米国のある経営学者によれば、幼少期からグローバルな視点での世界経済や海外投資についての教育を受けることが非常に重要だそうだ。
海外投資のもつ魅力や利点をよく理解し、海外投資についての漠然とした不安感を取り除くことが必要だ。
海外投資というとリスキーなイメージがあるかもしれないが、海外投資について多くの情報を収集し、正しい知識をもつことで、そのような悪いイメージを払拭することができる。そして国内投資よりももっと多くの可能性を秘めた海外投資にトライしてゆくことも可能になってくるのだ。